2017.05.02
ケアまつげ美容液とまつげ育毛剤
まつげケアの方法の1つとして挙げられる“まつげ美容液”。
最近はドラッグストアなどにも様々な種類のまつげ美容液が売られており、手軽に手に入るようになりました。
とはいえ、まつげ美容液とはいったいどのようなもので、どんな効果が期待出来るのかについてきちんと知っている方は実は多くなく、広告のイメージやパッケージなどでその効果を想像してお使いになっている方が多いと思われます。
実はまつげ美容液は“化粧品”の1種です。
化粧品とは“人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を整え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの”と医薬品医療機器等法第2条第3項で定義されています。
つまり、言ってしまえば化粧品であるまつげ美容液には基本的に育毛効果はない、ということです。育毛の効果があるものは“医薬品”や“医薬部外品”であり有効成分の効果も認められたものですが、通常の薬品と同様に副作用もあるため正しく使用しないと危険です。
なかにはまつげ美容液として化粧品登録されていても医薬品並みの成分を忍ばせているような商品があったり、個人輸入で海外のまつげ用の育毛剤なども出回っているようですが、育毛の効果があるということは副作用もあるということですので、その取り扱いには注意が必要です。
まつげ美容液の育毛効果
先ほどもあげたように化粧品であるまつげ美容液にはまつげを伸ばしたり増やしたりするような効果はありません。
そうした効果を謳っているような商品については、安全面を考慮して使用を避けたほうが良いでしょう。まつげを伸ばすことや増やすことを主の目的としてまつげ美容液を使用するのであれば、医師の処方で購入できるまつげ育毛剤を使用するほうが安全です。
医師の処方で購入できるまつげの育毛剤は保険が適用されないため高額ではありますが、育毛効果を謳っているまつげ美容液も価格は高い事が多いので、そうした商品をネット等で購入するのではなく病院で専門家の指導のもと使用することが安全面でもおススメです。
では、まつげを伸ばす効果はないとされているまつげ美容液には、どのような効果があるのでしょうか。本当にまつげを伸ばすような効果はないのでしょうか。
矛盾するように聞こえるかもしれませんが、まつげ美容液にはまつげを伸ばすような効果のある成分は(基本的には)含まれていませんが、結果としてまつげが伸びたということはあるようです。
まつげ美容液の効果
まつげ美容液に期待される効果は一言で言ってしまえば、まつげの保護です。
まつげをコーティングするような作用のあるまつげ美容液であれば、それを塗布することで日々まつげにかかるダメージを軽減することが出来ます。
その結果として、まつげ美容液を塗っていない状態よりもまつげ美容液を塗っているほうがダメージが少ないので、まつげは健やかな状態をより長く保つことが出来ます。
先ほどの“まつげ美容液には育毛効果はないが、結果としてまつげが伸びるという事はある”ということがどういう事かと言いますと、美容液によってまつげが保護されることでダメージを受けにくくコシやハリのあるまつげ状態で成長することで、まつげ美容液をつけていなければ成長期の途中でダメージによって切れてしまっていたような毛がきちんと残って成長することが出来るので、結果としてまつげが濃く長くなる、という事です。
まつげの育毛剤
以前は日本で承認されたまつげ育毛剤はありませんでした。
しかし現在ではまつ毛貧毛症の治療薬として“グラッシュビスタ”という医療用の医薬品があり、取り扱いのある病院(皮膚科や眼科など)で医師の診察を経て処方のもと購入することが可能になりました。
このグラッシュビスタは2014年3月に厚生労働省により製造販売が承認されています。
作用としては毛根を包み込んでいる毛包に作用して、毛周期の毛が伸びる期間である成長期を延長させることで毛が長く太くなります。毛包に作用するものなので育毛効果はありますが増毛効果はなく、また発毛可能な毛包がない場合にはその効果がみられない可能性もあります。
その効果については、通常使用後2ヵ月ほどで効果を感じられるようになり4か月ほど使用するとその最大の効果を実感できるようになるようですが、使用を中止すると元の状態に戻ります。
グラッシュビスタ使用の注意点と副作用
使用にあたっての注意点や副作用の説明などは、実際に使用する際には医師や薬剤師から説明を受け、その使用方法をきちんと守るようにすることが重要です。
妊娠されている方は使用することができませんので、妊婦さんやその可能性がある方は使用することができません。
また、以下のような副作用が出る可能性あります(必ず起こるのもではありません)。
・メラニンの増加によってまぶたが黒ずむ
・まぶたや目のかゆみ、目がしみる、痛むなどの症状が出る
また、日本人を対象とした臨床試験での報告はないようですが、目がくぼんだり黒目の色が濃くなるような重大な副作用の報告がされています。そのような重大な副作用に加えて先に挙げたような副作用と思われる症状が続く場合には病院を受診する必要があります。
目的に合わせて安全重視で
まつ毛は見た目の印象にも大きく関わる部分で、ふさふさとした長いまつげは昔から女性の憧れです。まつげエクステやつけまつげ、マスカラなどを目元に行うことで、少なくない負担がまつげにはかかっていますから、そのケアとしてまつげ美容液などを使用することはまつげを健やかに保つためにも重要ではあります。
しかし、塗布する場所が非常にデリケートな目元であるため、まつげのケアとしてまつげ美容液や、まつげを伸ばすためのまつげ育毛剤などを使う場合に一番重視していただきたいのが、その安全性です。
何らかのアレルギー反応や副作用のような症状が出た場合には、無理して塗布を続ける事で症状が悪化してしまう可能性がありますのでその使用を中止してください。
まつげ美容液にしても育毛剤にしても、その効果と副作用などのデメリットをきちんと把握した上でご自身に合うものを選んでお使いいただくことがおすすめです。